2014年12月11日木曜日

妊娠してたら、インフルエンザワクチン どうする?

インフルエンザが流行しはじめました。
今年は、暖冬の予想だったのに、一気に寒くなり、もう、流行りだしてますね。
春日井市内でも、学級閉鎖の報告が出て来ました。

さて、妊娠中の方、あるいは、妊娠しているかも?の方、これから妊娠しようとしてる方って、インフルエンザワクチン、どうしようか、お悩みのことと思います。

結論から言うと、「インフルエンザワクチンを受けましょう」です。

インフルエンザウイルスは、感染性が極めて強く、妊婦では、肺炎、早産、その他の合併症を引き起こすことがあるため、特に危険であると言われています。

2009年に新型インフルエンザ(H1N1)の大流行を覚えていらっしゃいますか?
あのとき、ワクチンが間に合わず、接種対象に優先順位がつけられました。
その筆頭が妊婦だったのです。このウイルスに妊婦が罹患すると重症になる事がわかっています。

そして、現在流行しているインフルエンザの半数が、H1N1です。

インフルエンザワクチンは、不活化ワクチンで、妊娠中に接種しても、安全ですし、生まれてくる子どもも守ることができます。
乳児は生後6か月までワクチンを受けることができませんが、母親が受ければ、胎内でインフルエンザ抗体を受け取ることができます。


2014年10月29日水曜日

「デリケートゾーン」のセルフケア

皆さんは、「デリケートゾーン」、普段の手入れどうしてますか?

外陰部のお悩みは、様々です。
インターネットで行われた調査でも
におい、蒸れ、かゆみ、べたつきなどに困っている方が80%に登ります。
毎日お風呂に入って、清潔にしているのに・・・なぜでしょうか?

実は、外陰部の皮膚は、他の皮膚と違うのです。

人体の皮膚は、弱酸性。pH5.2です。
pHというのは、酸性、アルカリ性を数字で表したもので、
数字が小さいほど酸性、大きいほどアルカリ性です。
中性の代表である水道水は pH7です。

酸性の代表として、クエン酸はpH2、お酢は、pH3
アルカリ性の代表、重曹はpH8.5、石けんはpH9.5ぐらいです。

外陰部の本来あるべきpHは、3.5〜4.2です。
腟内には、デーデルライン桿菌を代表とする「善玉菌」が常在しています。
腟内の細胞内には、グリコーゲンと言う物質が多く含まれており、
デーデルライン桿菌がグリコーゲンを「乳酸」に変え、腟内を酸性に保っています。
これを、腟内を感染から守る「自浄作用」と言います。

腟内が中性からアルカリ性に変わると、カンジダや、「悪玉菌」が繁殖してしまいます。
それだけでなく、保湿バリアを破壊し、乾燥させてしまいます。

様々な理由で、外陰部のpHは上がっていきます。

アルカリ性の石けん、お湯も中性です。キレイにしようと思って、洗いすぎて、ひりひりしたり、痒くなった経験、ありませんか?
弱酸性といわれるボディソープでも、本来の腟内酸性度には間に合わないようです。

外陰部を守るには、外陰部専用の洗浄剤が必要です。

海外ではすでに発売されていますが、日本でも、3月から販売が開始されます。
ラクタシードは、腟内に存在する乳酸を含み、外陰部の洗浄に最適です。


一般販売に先駆け、クリニックでは、先行発売になりました。
11月4日 入荷予定です。

ちなみに、これは薬ではありませんので、お手入れをしていても、かゆみ、においなど、不快な症状があれば、がまんせず、クリニックを受診してくださいね。

通気性の悪い下着、月経用ナプキン、おりものシートの間違った使い方もpHバランスを崩します。注意してくださいね。

2014年10月22日水曜日

「マザーズ」を見て

先日お知らせした、中京テレビの「マザーズ」、当日は診療で、その後出張で、なかなかまとまった時間が取れず、先ほど、やっと、録画で見ることができました。

予想はしてたけど、涙ぼろぼろで見終わりました・・・

中村蒼さん演ずる健太君が、養父母の深く自然な愛情の中でまっすぐ育っていて、「養子」は、決してかわいそうな子供でないことがとても丁寧に描かれていて、すばらしい内容でした。

彼が、自分が養子である事を知ったときの戸惑いを感じつつも、いろいろな事情のある妊婦に関わって、成長していく姿も感動的でした。

特別養子縁組と言う制度があると言うことを、もっといろいろな人に知って頂くため、ぜひとも、全国放送をお願いしたいところです。

あ、私の友人は、沙枝ちゃんが分娩室に運ばれるとき、ストレッチャー押してました。

モデルになったNPO法人は
NPO Baby ポケット
http://www.babypocket.net/index.php?FrontPage


2014年10月10日金曜日

お知らせです。

10月18日(土)13:30から、中京テレビで、特別養子縁組のドラマがあります。
ぜひご覧ください。

「マザーズ」〜特別養子縁組」母たちの選択〜




特別養子縁組とは、育ての親が一時的に子どもを預かる里親制度とは異なり、
戸籍上、養親の実子になる制度です。
また、普通養子縁組は家のための養子縁組ですが、特別養子縁組は、実子として育てるので、子どものための制度と言われています。

ちなみに、三重県のいなべ総合病院でロケがあり、院長の友人(産婦人科医)が看護師役で出演しています(^−^)

2014年9月28日日曜日

妊娠中のお薬

 妊娠中、薬を服用して良いかどうか、あるいは、服用してから、妊娠がわかった場合など、妊娠と薬に関しては、不安をお持ちの方も多いと思います。
 十分なエビデンスが得られていないものが多く、現在のところ、経験的に、あるいは動物実験を本に安全性が報告されているだけです。
 したがって、絶対禁忌の薬は数少ないのですが、メーカーからの情報では「安全性が確立されていないので有益性のある場合投与」との文面が多いのが事実です。
 絶対使用禁止と言われる薬剤はほとんどなく、また、使用を避ける様に言われている薬剤でも、1-2回の服用で、問題になることはほとんどありません。一定以上の服用期間が必要な場合、検討されるべきと考えます。

 妊娠と薬に関しては、妊娠時期によって、影響も変化します。
 妊娠4週3日(胎齢17日)までに投与された薬剤は、催奇性性がありません。
 妊娠4週4日(胎齢18日)から妊娠7週2日(胎齢37日)は、絶対感受期と言われ、胎児の中枢の臓器が形成される頃ですので、影響を強く受けます。
 妊娠7週3日(胎齢38日)から妊娠9週6日(胎齢55日)末梢の臓器形成期のため、影響を受けます。
 妊娠10週0日(胎齢56日)から分娩までは、奇形のリスクはほぼ消失しますが、胎児の発育、子宮内環境への影響があります。

 日常的によく使われる薬剤について、まとめてみます。 

1)抗生物質(いわゆる化膿止め)では、投与が禁止されているものはありません。その中で、比較的安全と言われるものは、ペニシリン系、セフェム系といわれています。
2)抗アレルギー剤は、基本的に、使用を避けることが望ましいと言われています。
3)鎮痛剤は、薬によって、妊娠末期には使用禁止のものがあります。(動脈管閉鎖のおそれ)
4)ステロイド外用薬は、長期、広範囲使用は禁止です。
5)漢方薬の中にも、妊娠中服用してはいけないものがあります。


 妊娠中だからと言って、全く薬を使用せず、母体の体調が悪くなってしまうことのない様に、また、薬を使用したからと言って、安易に中絶手術を考えることのない様に、主治医とよく相談しましょう。

2014年9月25日木曜日

ホルモン補充療法

更年期障害の治療の主役はホルモン補充療法です。

女性ホルモンは2種類ありあります。
主役のエストロゲンと、脇役の黄体ホルモンです。
この2つの女性ホルモンを組み合わせて使用します。

月経様の出血がある「周期法」
出血の無い「連続法」

エストロゲン製剤には、皮膚に張る「シール」、塗る「ジェル」、錠剤があります。
様々なバリエーションがありますので、
医師とよく相談して、自分に合った方法を見つける事が出来ます。

ホルモン補充療法で、乳がんリスクが上がると言われた事もありましたが、
現在は、ほとんど、問題になる事は無いようです。

ホルモン補充療法を行っている人たちの方が、平均寿命が長くなっているようです。

2014年9月23日火曜日

低用量ピル メリット・デメリット

1999年に、やっと正式認可された低用量ピル。
まだまだ、日本では、女性の避妊法としては、敷居が高いようです。

メリット
1)女性が自分の意志で避妊できる。
2)正しく服用すれば、99.7%の高い避妊率である。
3)月経痛が軽くなる。
4)月経量が減る。
5)月経周期を移動できる。(遅らせたり早めたり出来る)
6)ニキビ、多毛の改善が期待できる。

デメリット
1)毎日服用する煩わしさがある。
2)医師の処方箋が必要。
3)低い確率だが、血栓症のリスクが上がる。
4)やや高価である。(他国に比べて)

ピルと言えば副作用と思われがちですが、認可前に流通していた中用量ピルでみられた
太る、吐き気があるなどの副作用は、低用量になってかなり改善されています。

3か月試してみると、メリット・デメリットが実感できるでしょう。
美容液・・・のようなものと考えると、わかりやすいかも。


2014年9月22日月曜日

ブログ始めました

初めまして

愛知県春日井市の婦人科クリニックの院長です。

アルファクリニックは、平成3年平成3年(1991年)10月に開業しました。
23年間、地域の皆さんと共に歩んで参りました。

今までの診療で、学んだことやお伝えしたいことを
書いていこうと思っています。